宇宙放射線被ばくによる発がんリスクの推定:病理およびゲノム変異解析から - 公募研究 2016-2017

  1. A01 秋山
  2. A01 越智
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  6. A01 川上
  7. A01 冨田
  8. A01 本田
  1. A02 篠原
  2. A02 前川
  3. A02 大神
  4. A02 西村
  5. A02 河野
  6. A02 岩瀬
  7. A02 古市
  8. A02 明
  9. A02 北村
  1. A03 中村
  2. A03 原田
  3. A03 井出
  4. A03 白井
  5. A03 柿沼
  1. B01 ラザルス
  2. B01 三輪
  3. B01 國枝
  4. B01 島田
  5. B01 北宅
  6. B01 沢野
研究課題名 宇宙放射線被ばくによる発がんリスクの推定:病理およびゲノム変異解析から
研究代表者
柿沼 志津子
  • 柿沼 志津子
    量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所・部長
    Website
    http://
連携研究者
  • 森岡 孝満
    量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所・主任研究員
  • 尚 奕
    量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所・研究員
  • 甘崎 佳子
    量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所・研究員
  • 臺野 和広
    量子科学技術研究開発機構 放射線医学総合研究所・主任研究員

宇宙環境においては、地上とは異なる宇宙放射線を常に被ばくする。宇宙放射線は、陽子線、中性子線に加えて、鉄イオンなどの生物効果の高い重粒子放射線が含まれることが特徴である。放射線の生体影響については、原爆被爆者の疫学データから、線量と発がんリスクの関係が明らかにされている。しかし、線質の異なる混合放射線を低線量・低線量率で被ばくする宇宙環境における発がんリスクに関する十分なデータはまだない。宇宙空間における重粒子線の存在比率は少ないが、細胞を用いた重粒子線の影響解析から、細胞内を通過した鉄、またはシリコンイオンは、密度の高い傷跡を形成することが示されている。従って、重粒子線で生じる傷は、低LET放射線によって生成する傷とは大きく異なり、発がんといった生物影響は大きいと予想される。

本研究では、鉄イオン、シリコンイオン、またはアルゴンイオンを照射したB6C3F1マウスの終生飼育実験から得られたサンプルについて、(1)病理解析を行い各臓器の発がんリスクを求め、(2)発生したがんのゲノム変異解析を行うことで、LETの異なる重粒子線被ばくによる発がんリスクとゲノム変異メカニズムを新たに提示することを目的とする。