宇宙滞在の影響を受けにくい体質をつくるための新規エピジェネティクス理論確立 - 公募研究 2016-2017

  1. A01 秋山
  2. A01 越智
  3. A01 茶谷
  4. A01 清木
  5. A01 二川
  6. A01 川上
  7. A01 冨田
  8. A01 本田
  1. A02 篠原
  2. A02 前川
  3. A02 大神
  4. A02 西村
  5. A02 河野
  6. A02 岩瀬
  7. A02 古市
  8. A02 明
  9. A02 北村
  1. A03 中村
  2. A03 原田
  3. A03 井出
  4. A03 白井
  5. A03 柿沼
  1. B01 ラザルス
  2. B01 三輪
  3. B01 國枝
  4. B01 島田
  5. B01 北宅
  6. B01 沢野
研究課題名 宇宙滞在の影響を受けにくい体質をつくるための新規エピジェネティクス理論確立
研究代表者
河野 史倫
連携研究者
  • 山田 一哉
    松本大学 大学院健康科学研究科・教授
  • 川島 均
    松本大学 松商短期大学部・准教授
  • 中田 研
    大阪大学 大学院医学系研究科・教授
  • 二村 圭祐
    大阪大学 大学院医学系研究科・准教授

有人火星探査ミッションに向けた課題
有人火星探査ミッションは、物資補給が不可能な最長1,100日の超長期宇宙滞在が想定されている。微小重力環境が身体へ及ぼす影響は、地上での運動不足や寝たきりと酷似しており、そのため現在の国際宇宙ステーションにおいては運動機器を使ったトレーニングが実施され効果も認められている。しかし火星探査船内では、スペースや振動発生、温度上昇、搭載無聊制限などの問題から、現在と同じ運動機器を使ったトレーニングは困難であると考えられる。河野班は、地上で起こる運動効果獲得や病気のなりやすさにおける個体差に着眼し、「宇宙滞在の影響を受けにくい体質」を地上でつくることで、簡略化された運動プログラムでも宇宙飛行士の健康を維持できる理論の確立を目指す。

骨格筋に起こるエピジェネティクスと個体差発生の関係
エピジェネティクスは、遺伝子を取り巻く環境(エピゲノム)による遺伝子転写制御である。過去のライフスタイルがエピゲノムに影響を及ぼし、一定の生理刺激に対する遺伝子の応答性を変化させることで個体差を発生させるという仮説を本研究で検証する。特に骨格筋の特性や機能に焦点を当て、運動歴や運動不足歴、食習慣、受傷歴、または重力刺激量がどのように骨格筋エピゲノムを変化させ、将来的な筋不活動(宇宙滞在)に対して異なる影響を生じるのか明らかにすることが本テーマの目的である。我々はこれまでに、筋活動によって誘導される遺伝子転写活性は、活性型ヒストン修飾を伴わずに起こることを報告している。重力に抗した持続的活動を行う骨格筋は、ユニークなエピゲノム特性を有しており、組織のホメオスタシスや適応力、刺激応答性などに重要な役割を果たしていると考えられる。