疑似宇宙環境における基本的生命現象の可視化- 公募研究 2018-2019
研究課題名 | 疑似宇宙環境における基本的生命現象の可視化 |
---|---|
研究代表者 |
|
研究協力者 |
|
「宇宙に生きる」事象において、細胞の増殖、分化、移動などはどのような時空間パターンで起こるのか? 計画班で開始している試みに便乗し、蛍光プローブ発現細胞や動物(マウス・ゼブラフィッシュ)を地球・宇宙環境実験に応用するべく連携を図る。大きく異なる環境で蛍光プローブが提供する情報を収集することで、宇宙規模で基本的生命現象の理解が収束するのを狙う。
平成28年度公募参画から引き続き、我々が開発した細胞周期可視化プローブ:Fucci (Cell 2008, Mol. Cell 2017)のノウハウを生かし、様々な生命基本現象を可視化する蛍光プローブの開発を行う。エピジェネティクス(DNAメチル化)プローブはほぼ完成段階にあり、プローブを発現する細胞や動物の作製が進行中である。また、酸化ストレスプローブ、オートファジープローブ、炎症プローブ、代謝プローブ、カルシウムプローブなどは、理研・細胞機能探索技術研究チーム(宮脇敦史チームリーダー)で作製されたものを導入、本領域内への提案を続ける。
本領域で理解をめざす3つの要素のうちのふたつ「無重力」「宇宙環境リスク」について実験の提案を行う。疑似微小重力環境下で生命現象の進行を理解・議論することを目的に、「モバイル蛍光顕微鏡」を完成させる。また、宇宙放射線被曝擬似実験等により、細胞が受けるダメージについて、上述プローブをもちいて解析する。さらに、蛍光プローブ発現マウスをストレス環境実験に処することで、局所的なエピジェネティクス変化や、幹細胞の維持状態の変化などの解析が期待されることより、ISS(国際宇宙ステーション)実験へと提案を行っていく。
本研究で得られる知見を元に、基本的生命現象に関して仮説を立てる。それらを検証するために、ISS実験の公募プロジェクトへの参加を検討する。